もう少しだけ

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「やった!やった!すごいぞ、シラヒメ!」 少し時間が経って、私が"デビュー戦"ってたくさんの馬達と大きな運動場で走って1番になると、厩務員(きゅうむいん)さん達は喜んでそう言ってくれた。 そっか、1番になればみんなもっと喜んでくれるんだーー。 みんなをニコニコにする方法が分かった私は、そこからずっと1番になり続けた。 暑い日も寒い日も、時には雨で泥んこの中を走る事もあったけど、1番になって帰って、みんなの笑顔を見れば疲れなんて吹き飛んじゃうんだ。 そして、1番になり続けた私は3歳の夏に、 『やりましたシラヒメ! 桜花賞(おうかしょう)に続き優駿牝馬(オークス)も勝利!二冠(にかん)達成! 牝馬三冠(ひんばさんかん)の夢に期待が広がりますっ!!』 私の走りを観てくれるたくさんの人達の大歓声の中で、"無敗(むはい)二冠馬(にかんば)"って呼ばれるようになった。 …… …………。
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