もう少しだけ

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「すごいな、お前は。うちの牧場の宝だよ」 身体を休める為に久し振りに生まれた牧場に帰ると、大好きな牧場のみんなが笑顔で迎えてくれた。 みんなニコニコで、私も嬉しい。 「無敗(むはい)二冠馬(にかんば)かぁ〜。 無敗(むはい)三冠馬(さんかんば)、なってほしいな〜」 「馬鹿、無事に走ってくれたらいいんだよ」 「とか言って、親父だって期待してるんだろ?」 「うっ、まあ……そりゃそうだ。 シラヒメ(こいつ)はうちの牧場で初めて生まれた期待の星。みんなの夢なんだ。 もう少し、あと一冠(いっかん)。頑張ってほしいよなぁ……」 大好きなおじさんが、私の顔を優しく撫でながら目を輝かせて言った。 ーーそっか、もう少し。 もう少し頑張れば、三冠馬(さんかんば)、ってやつになれば、みんなもっとニコニコになるんだ!! みんなをもっともっと笑顔にする為に、私は次も1番になろう、って決めた。 …… …………。
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