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***
そして私は、三冠馬になる為に走る日を迎えた。
……
………けどね、何か、おかしいの。
我慢出来るんだけど、右の後ろの脚が少しいつもと違う気がするの。
でも、私が変な歩き方や走り方をすれば、みんなのニコニコはなくなっちゃうんだ。
この前、隣に住んでる子が脚を怪我して走れなかった時。みんな悲しそうにしてたから……。
私はみんなのあんな顔は見たくない。
私はみんなの笑顔が見たいんだ。
ーー大丈夫、走れる。
1番でゴールして、私はみんなをニコニコにするの!!
……
…………。
『さぁ、全馬ゲートに収まりました。
第〇〇回、秋華賞。スタートしますっ!!』
ガッシャーンッ!!
って音と。
ワアアアァァァーーーーーッ!!
って歓声が響く。
目の前を遮る物が無くなったと同時に、私は飛び出した。
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