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『さぁ!間もなく最終コーナー!!
先頭は依然としてシラヒメだぁ〜!!』
っ……もうすぐだ。あと、少し……!
あの先を曲がれば、後は真っ直ぐに走るだけ!!
みんなの笑顔を目指すだけーー!!
もう少しだけ。
もう少し、だけっ……!!
ズキズキと、少しずつ痛くなる右後脚に願った。
……
…………でも。
私の願いは、もう少しで届かなかった。
ズキンッ、と脚に激痛が走った直後。
私の耳に届く悲鳴、絶叫。
『!!っーー……こ、これは大変だッ!!
アクシデント発生かーーーッ?!シラヒメがズルズルと後退していくーーーッ!!!!!』
初めて聞く、実況の慌てた声。
そして、初めて見る、光景。
私の真横をもの凄い速さで他の子達が追い抜いて行って、脚を前に出しても出しても……進まない。
どんどん、どんどん。
あっという間に差が開いて……。
もう、追い付けない。
痛くて、もう、走れない。
っ……もう、走れないの。ごめんなさい。
もう少しなのに、っ……もう痛くて、走れないの。
……
…………。
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