ただ好きで

3/3
前へ
/28ページ
次へ
ちゅ… 『ん…大我…もっと…』 俺の理性の糸が切れかかかる…星矢の薄い唇に舌を差し込み歯列をなぞる。 『ふぁ…はぁ…』 マッサージの声どころじゃない…腹の底からの官能的な声、ジワリと身体が震える。 「星矢…どうだ?イヤか?」 『イヤじゃない…気持ちいい…大我、やめないで…もっとちょうだい』 蕾が花開くように、うっとりと目を細め妖艶になってくその表情。 その欲しがりが、俺を苦しめるのに…俺も止まらない。 俺は星矢のうなじから手を滑り込ませ顔を固定する。 息もできないほどの深いキスをあげる。 だから俺にもちょうだい? 『ふぁあ…大我』 「星矢?」 『ふふ…大我』 「ふ…星矢」 額をくっつけ、ちゅっと軽いキスで閉める。 あなたが綺麗な顔で微笑むから、俺の理性の糸はなんとか保った。 そして俺たちは一緒にシャワーを浴びた。お互いに我慢できるようにと背中を向けて。 たまに触れ合うんだ。俺の尻とこの人の腰。 『大我のお尻、硬い』 「星矢の身体はツルツルだな」 『ね…見たい?』 「いや…見ねぇ。止められる自信がない…」 『止めなくていいっつったら?』 「は?揶揄うなよ」 『俺…こないだ初めて大我に会った日、モヤモヤが取れなくて初めてゲイバーに行ったんだ。そして路地に連れ込まれてキスされそうになった』 「は?馬鹿じゃないのか、大丈夫だったんだろうな」 『気持ち悪くてさ、股間蹴り上げて逃げた』 「よかった…二度と行くなよ」 『大我も行ってないだろうな?』 「もう、星矢しか目に入らないって言っただろ?あなた以外、興味がない」 『あんなに気持ち悪かったのに、大我とはやめたくなかった。それってそう言う事だろ?』 「はぁ…俺が知りたいのは星矢が俺とできるかできないかじゃない…俺を好きかどうかだ」 『そうなのか?』 「言ったろ?あなたの心まで全部が欲しいんだ。どっちかじゃダメだ」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加