指輪

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『ふふふ…嬉しい』 俺たちは指輪を選んで、サイズ調整と刻印を頼み帰路に着く。 「一月後、一緒に取りに行こうな」 『なぁ、あの店員…』 「どうした?」 『仲良さそうに話してた…』 「妬いてんのか?あなたの話してたんだ。それにあの店員、相手がいるぞ?指輪してたんだ」 彼がゲイだという事は黙っていた。 『そうか…でも妬けた』 「可愛いな…俺にはあなたしかいないのに。愛おしくて狂おしいよ。早く帰ろう」 『ん…旦那様。引越しも…忙しくなるな』 「金のこともちゃんとしよう」 『ん?マンションの事なら、払い終わってる。車も現金一括だから借金はないぞ?』 「は?どんだけ高給取りだよ」 『違うんだ。ずっと一人で仕事ばっかで金使うこともなくて貯まる一方で…でも今は良かったと思う。あなたとのんびり暮らせる』 「じーさんみたいだな…でもいいな、そうなりたい。よし、今夜はこのままウチだ。引越し準備の話し合いだけでも…星矢どうした?」 『今日は…記念日だろ?だから…抱いて欲しいなって…』 「ふ…バカだな…それは当たり前、その後の計画だ。俺が一緒にいてあなたを抱かないわけがない」 Piiii… 『ごめん、ちょっといいか』 この人はこんな姿も綺麗だな… 「ああ」 『悪い…大我。俺の親みたいな人達に、会ってくれないか?あなたの事はすでに話しているんだが…どうしてもあなたに会いたいそうだ』 「わかった。ちゃんと挨拶するよ?」 『いや…その…めちゃくちゃ今更なんだが、その人達も…俺たちと一緒…なんだ…』 「一緒…?はぁ?…あなたの嫌悪感のなさはそういう事か…」 『俺の両親…俺が高校生の時に事故で亡くなってさ。親父の会社の社長が俺の事気にかけてくれて…そのパートナーの人も』 「あなたの大事な人なんだろ?だったら俺にとっても大事な人だ」
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