会えるから

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会えるから

それから2日後、その人は来た。 間の悪い事に、俺が女性会員に囲まれて質問責めにあってる最中。 「あっ!堤さん!」 女性に囲まれてる俺を睨みつけスルーしようとするから。その顔が綺麗でゾクリとした。 俺は女性の輪をすり抜け、その人に駆け寄る。 『彼女たち、いいんですか?』 「あなたに助けて貰いましたよ」 『モテるんですね…』 「ええ、まぁ」 女にも男にもな、でも俺が欲しいのはあなただけだ。 「今日はどんなメニューで?良かったら、先に身体解しましょうか?」 触りたい、触らせて。 『いいんですか?また勃ち…』 「いいんです。私にはもう見られてるから平気だし、よくある事ですよ?」 『はぁ…まぁ…』 俺に身体を触られて勃つ男はここではいない、あなただけだ。俺の温もりが、想いが掌を伝ってんだよ。 「こちらへどうぞ」 俺は個室のトレーニングルームへと案内する。 マットを広げ、横になるように促す。 「触りますね」 『ん…は…』 「堤さん、ちゃんと呼吸して下さい。大事な事ですよ?」 『ふぅん…』 やらしい吐息だけが室内に響く。 「堤さん…マッサージ中に勃つのあなただけじゃないって言いましたよね?」 『ふぅ…ん…はい…』 「俺もです、あなたの身体に触れると…勃ちます。すみません」 『……』 「あなたが綺麗すぎて…気持ち悪いですか?」 その人は吐息をこぼしながら、俺のソレに手を伸ばした。ピクリと反応する。 「堤さん…大胆なのは嬉しいですが…カメラがあります、音声は拾いませんが」 その人は長くしなやかな手を引っ込めた。 『本当ですね…勃ってる…しかも大きい…浪川さん…俺はゲイでも何でもない。けど、なぜかあなたには…身体も心も反応する。なぜなのかはわからない』 「ふふ…なぜでしょうね?私はゲイです。あなたにはもう隠さないので触られたくないなら言って下さい」
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