28人が本棚に入れています
本棚に追加
出会い
はぁ…怠いな…昨夜ゲイバーで拾ったネコ最悪だったな。
顔はまあまあ綺麗目なタイプで、身体は華奢で俺好み。なのにホテルに着くなりさっさと脚開いて挿れろって…俺は前戯が好きなんだ。あーしてこーしてトロットロに溶かしてから挿入するもんだろ。いくら愛はなくても感じたいし感じさせたいだろ?セックスなんだから。
しかも孔の具合も良くない、ヤりすぎてガバガバ…やっとこさイけたっつう俺史上最悪のセックスだった。いや…セックスでもなかった。アレじゃ自慰の方がマシだ。
「浪川さん!今日体験いますんでよろしくお願いします。堤星矢様で…26歳男性、筋力アップ希望でぇーす。そろそろ来られます」
俺は自他共に認めるイケメン。背も185ある、ここ、三苫スポーツジムのトレーナーだ。
受付の蘭ちゃんが、俺の事を好きなのには気づいている。しかし、告白する隙も与えない。俺はゲイで女性には興味がない。女性会員にはかなりの確率で惚れられるから、体験の女性に俺が付くことはない。女性は面倒だから好都合だ。
「蘭ちゃん、ありがとう」
ニコリと微笑むと、蘭ちゃんの頬が赤く染まる。
またやってしまった…ごめん…蘭ちゃんみたいな美人にはもっといい男が見つかるさ。
俺は受付のカウンターに入り、体験用の書類の準備をする。
『あの…』
俺はふと顔を上げる。
目の前にはどえらい美人…サラッサラの黒髪に大きな目。スッと通った鼻筋の下には赤くて薄い唇…うわぁ、めちゃくちゃタイプだわ…
『あの…』
「え…ああ…はい。どうされました?」
あまりの神々しさに百戦錬磨の俺がしどろもどろになる。
『体験で予約入れてた堤です』
「ああ…堤様」
最初のコメントを投稿しよう!