無駄に、ハイクオリティ

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 ‥‥‥一体どこから、見てたんだよ?  確かに特売品の卵を2パック買えるというのは、魅力的な提案ではある。  だけどいつも視姦されていたのかと思うと、悪寒が走った。  しかし今日は彼に目を覚まして貰うため、優しく接すると決めたのだ。  だから僕はいつものように邪険に扱う事無く、出来る限り西園寺さんに冷たくしないよう心掛けた。 *** 「今日の夕飯は、何にするの?」  顔を覗き込み、聞かれた。  そのためいきなりの至近距離に驚きながらも、初めてちゃんと間近で見る彼の整った顔面を前に、つい見惚れてしまった。  すると彼はフッと小さく笑い、僕の頭を軽く撫でた。  それに驚きはしたものの、すぐに西園寺さんは僕から手を離したから、特に文句をいうこともないまま有耶無耶にされてしまった。 「昨日は確か、ハンバーグだったよね?  妹の莉緒(りお)ちゃんの、大好物の」  僕は彼に対して家族について語った事なんて、これまでただの一度も無かった。  ましてや夕飯の内容まで、いちいち教えたりしていない。  想像以上の彼のストーカーっぷりに、ドン引きする僕。  だけどそれに気付いていないのか、西園寺さんは幸せそうに笑って僕の手を握った。 「今度俺にも何か、陸斗くんの手料理をご馳走してよ?  ね‥‥‥お願い」  あまりにもナチュラルにねだられたせいで、僕はついうっかりこくんと頷いてしまった。  だけどすぐに素に戻り、慌てて取り消そうとしたのだけれど。  ‥‥‥僕よりもずっと年上なのに、子供みたいに無邪気な表情で嬉しそうに笑う西園寺さんを前に、それ以上何も言う事が出来なくなってしまった。
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