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クリスマスに誘われている上、泊まりなワケだから、さすがに今回のこれはデートだと認めざるを得ないだろう。
だから僕も彼のため、プレゼントはもう用意してある。
とはいえその原価は500円にも満たないし、彼の手元に何か物を残すのは何となく不快だったため、渡すのはいわゆる消えものってやつだ。
しかし事前に贈られたプレゼントの山を前にすると、本当にこんな物だけで良いのだろうかと少し申し訳ない気持ちになった。
絶対に喜ばれる自信はあるが、さすがに良心の呵責に苛まれてしまったのだ。
「はぁ‥‥‥仕方がない。
あれを使って、やっぱりもう一品用意しておくか」
部屋着に着替え、そんな言い訳のような言葉を口にしながら。
以前買い物に出掛けた際、彼に似合いそうだなと思い、何を血迷ったかつい買ってしまった深緑色の毛糸。
ずっと放置したままになっていたそれを手に取り、渋々マフラーを編み始めた。
かなり太めの糸を使用しているし、手先は器用な方だから、これくらいなら今夜中に余裕で編み上がるだろう。
「‥‥‥間違いなく何を渡しても喜んではくれると思うから、ちゃんと使ってくれるかの方が心配なんだよな」
大切にし過ぎるあまり、神棚にでも飾られたら嫌だなと、本気で考え苦笑した。
「‥‥‥どうせならちゃんと、使って欲しいんだけどな」
出来上がったマフラーを首に巻き、幸せそうに笑う彼の姿を想像しただけで、自然と頬の筋肉が緩む。
だけどそれに気付いたから、誰かに見られているワケでもないのに、慌てて無理矢理表情筋を引き締めた。
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