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つよくそう思った。
「ほら、どうぞ?」
うながされて、自分のくちばしより大きな小枝を、おねえさんの手から、たいせつにたいせつに受け取る。
それはぼくにとって、季節外れのクリスマスプレゼントだった。
――ありがとう。
かんしゃをこめて、ひと鳴きするかわりに、くいっと首をかしげる。
おねえさんも「どういたしまして」と顔をほころばせた。
巣もいよいよ完成だ。奥さんも待ってる。がんばろう。
この小枝は、最後の最後にかざるね。
赤ちゃんがうまれたら、巣まであんないするから、見にきてね。
また会おうね。
今日の天気みたいに晴れやかな気持ちで飛び立ったぼくを、おねえさんはいつまでも見送ってくれていた。
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