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 ぼくはシマエナガ。  雪だるまみたいに白くて丸い体と、長いしっぽをもつ、日本のいちばん北に住んでいる鳥だ。  最近は「雪の妖精」なんて呼ばれて人間の間で人気が出てるらしいけど、人間たちがぼくらに興味を示すのは、羽毛がいっそうふわふわもこもこになる、クリスマスシーズンの姿ばかり。  ぼくらは、一年中ここにいるのにな。  春になると夫婦になって、赤ちゃんを迎えるためにせっせと巣作りすることを、きっと知らない。今ごろ、おそすぎる桜の開花を、まだかまだかと待ちわびているんだろう。  そんなことを考えながら、材料をくわえて作りかけの巣に戻っていると、 「ジャマだジャマだ!」  とさけんで、黒い鳥がものすごいスピードでぼくの横を通り過ぎていった。カラスだろうか。  ぼくはそう思って顔をしかめた。おととい、もうすぐ完成しそうだった巣を彼らにこわされたから。  他の鳥たちは木にもともと空いている穴を利用するけど、ぼくたちは木のマタに拾ってきた羽毛やコケを少しずつつみ上げて、それをクモの巣でくっつけて……そうやって、ゼロから巣を作るんだ。
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