❄⛄🌸

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 ねぇねぇと声をかけるつもりで、ジュリリ、とひと鳴きすると、ようやくこっちをふり返って「あっ」と言った。  うれしくなって、今日もとってよ、とポーズを決める。  まだ材料を探しにきたばかりだから、何もくわえてないけどごめんね。  そんなぼくに、おねえさんはふっとやさしく目を細めると、 「あなた、いつもそうやってサービスしてくれるよね」  そう言って、リクエストにこたえるようにカメラをかまえた。そして、  カシャッ、カシャッ、カシャッ……  角度を変えながら、いつもよりたくさんシャシンをとってカメラをおろし、 「ありがとう」  とつぶやいたかと思えば、 「これ、お礼」  足もとに落ちていた小枝を拾って、ぼくにさし出す。 「今、ちょうど巣作りの時期でしょ? 役に立つか分からないけど、よかったら」  胸があったかくなった。どうしてそんなになんでも知っているんだろう。  いつも材料をくわえていたからかもしれないけど、巣作りにいそがしいことにも、ぼくのサービスにも、おねえさんじゃなきゃ、気づかなかった気がする。  雪の妖精なんかじゃない。おねえさんは、ちゃんとぼくらを、ぼくをみてくれているんだ。
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