1、~アカリの旅立ちと、3人の兄達の想い~

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「…──カリ…ッ アカリ… しっかりするんだ、アカリ!!」 アカリは誰かに体を揺さぶられて、ハッと気がついた…! 「…! トキオ、お兄ちゃん…!」 アカリの体を揺さぶったのはアカリの兄であり、長男のトキオ(当時14歳)だった。 その傍らにはトキオのパートナーのルカリオがいて、アカリの悲鳴にびっくりして目を覚ましたのだろう、やや動揺した様子を見せているピチューを宥めているのが見受けられた。 「アカリ、大丈夫か? お前の悲鳴が聞こえて、お前に何かあったのかと思い、急いで自分の部屋からここに来たんだ…! そしたら、お前、うなされていたみたいで寝ながら悲鳴を上げていて、それで──…と…!∥ アカリ…?」 アカリはトキオの胸に顔を埋めた…。 「…私、夢の中でお父さんに会えたような気がしたの…。 でも、そこに大きなポケモンが現れて、私、とおせんぼされちゃって……それ以上、進めなくって…。 それに、私、そのポケモンに襲われそうで、ちょっと恐かった……。」 アカリはそう言って一筋の涙を流した…。 「……そうだったのか… 恐い思いをさせてしまい、すまなかった…っ」 トキオはそう言ってアカリをギュッと抱きしめた…。 「…∥ どうして、お兄ちゃんが謝るの…?」 「あ、いや、それは、その…!∥ なんて言うか…ほら、こうしてお前を守ってやる事が出来なかったから、それで…!」 「ふふ… ふふふふ、トキオお兄ちゃんがこんなに動揺してるなんて珍しいわ。 面白いお兄ちゃん(笑)」 アカリはクスクスと笑った。 「わ、笑うなよ、アカリ…∥」 「ふふ、ごめんなさい… 本気で心配してくれたのよね、ありがとう。」 「あ、ああ…まあな。 だが、やっぱりその方が良いな、お前は…。」 「え?」 「俺は、泣いているお前より、 そんな風に笑っているお前の方が好きだということだ。」 「トキオお兄ちゃん…∥ …な、何よ、さっきは笑うなって言ってたくせに。」 「あ、それはだな──… と…」 アカリは再びトキオの胸に顔を埋めた… 「…嘘、冗談よ。 ありがとう、そう言ってくれて…とっても嬉しいわ∥ 私もトキオお兄ちゃんの事が大好き。」
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