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「……う……ん…。」
アヤコが気がつくと、そこは彼女の部屋だった…。
「ここは……
私の、部屋……?」
「…お、アヤコ
気がついたようだな
良かった。」
アヤコのベッドのそばには、赤ん坊を抱いたマサヒトがいて、彼は安心したように微笑んでいた。
「マサヒトさん…。
その子は……」
「アヤコ、よく頑張ったな。
ご覧、元気な女の子だよ。」
マサヒトはそう言って、抱いていた赤ん坊をアヤコのそばに置いた。
「女の子……
こんにちは、私がママよ…」
アヤコはそう言って赤ん坊の頬に触れた…赤ん坊はアヤコを見つめている…。
「可愛いわね…∥」
「ああ。
私達の愛の結晶だ…」
「ふふ…
目があなたにそっくり…」
「そうだな。
だが、目以外は君に似ているよ…
成長したらますます君にそっくりになるだろう。」
「ふふ、大きくなるのが楽しみね…。
名前はどうしようかしら?」
「名前は決めてある…
この子の名前は、“アカリ”
周囲の者たちを明るく笑顔で照らす子になるように─…と、そのような願いと意味を込めた。」
「アカリ…!
素敵な名前ね…!
それにしても、不思議な夢を見たわ…
私が産気付いた時…突然、あなたの体が光輝いて…あなたの姿が変わって…あなたが大きなポケモンになって…そしたらあなたはそのまま私を背に乗せて、私を病院ではなく、テンガン山の頂上にある神殿に連れて行って──…
そして、
そこで私はあなたと、あなたとはまた違う大きなポケモン達に見守られながらアカリを産んだの…
そんな夢だった…。」
「……そうか
──だが、それが夢ではないとしたら、君はどうする?」
「え…?
それ、どういう事…?」
「…アヤコ、これ以上、愛する君に嘘はつきたくない…っ
だから、真実を話すよ…。
そして、今一度、私の真の姿を君に──…!」
と、突然、マサヒトの体が光輝き、その場にまた複数のアンノーン達が現れ、彼の周りを囲んだと思うと、次の瞬間、そのマサヒトの姿は背に後光が差した白く神々しい四本脚のポケモンへと変わった!
「…!
その姿…!!
じゃあ、マサヒトさん、あなたはやっぱり──…!」
『ああ、そうだ…
私は、このシンオウ地方を創造した神…
名は──…』
そして、マサヒトの口から彼の真の名がアヤコに伝えられた…。
その瞬間、案の定アヤコは動揺し、両手で口を覆った…!
『アヤコ、動揺させてしまってすまない…
そなたが私の話しを信じられぬのも無理はない…
だが、これが真実だ。
私はこの世界のため、これからもポケモンと人間の共生が永遠に続く事を願い、アヤコ、そなたと一緒になる事を決めた。
何故なら、そなたは私が大昔に結婚を約束した人間の女性…そう、かつて、私の巫女だった“ヒミコ”の生まれ変わりだからだ。』
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