4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヒミ、コ……
うっ……!」
と、アヤコは突然酷い頭痛を感じ、頭を抑えた…!
すると、その彼女の様子を見たそのポケモンは再び体を光り輝かせて人間のマサヒトの姿に戻ると、アヤコの頬にそっと手を置いた…。
「大丈夫、私がその名を呼んだから、君の中にある“ヒミコ”の魂が反応しているだけだ…。
しかし、子どもを生んだ君の体にこれ以上無理をさせるのも酷だな…この話しはここまでにしよう…。
だが、信じてくれ、アヤコ…
人間じゃないとしても私は君とアカリの事を心から愛している
その気持ちに嘘偽りはない。」
「…分かっているわ…
だって、あなただもの…
私が、大好きなあなただもの…。」
「ありがとう、アヤコ。
…だが、君にこの事を話した以上、私はもう君のそばにはいられない…。
それに、力を使いすぎた…
ゆえに、私はこれから眠りにつかねばならぬ──…。」
「マサ、ヒトさん…っ!」
と、アヤコはマサヒトにグッとしがみついた…!
「いや、嫌よ…!
どこにも行かないで、マサヒトさん!!
私は、あなたが誰だって構わない…ポケモンだって構わないっ…!
私にもそうだし…
何より、この子には、アカリにはあなたが必要なのよ!
だから、これからも私達のそばにいて…
ねぇ、お願いよ、マサヒトさん…っ」
そう言ってポロポロと涙を流しているアヤコを見たマサヒトはたまらずアヤコをぎゅっと抱き締めた!
「アヤコッ…!
ありがとう、そう言ってくれて…。
君の気持ちはとても嬉しいよ…!
だが、すまない…
私は、行かねばならぬのだ…。
どうか、分かってくれ、アヤコ…!」
と、マサヒトはアヤコに口づけをした…!
「んぅ…っ∥
マサヒト、さん……。」
アヤコはそう言って一筋の涙を流した…。
「アヤコ…
本当にすまない…君達のそばにいられなくて…。
私だってこのまま君達のそばにいたい…っ!
だが、眠りにつかねば私は力を使いすぎた反動によりこの世から消え失せてしまうだろう……。
そうなれば、それこそ君達には永遠に会われなくなってしまう…それだけは耐えられないんだっ…!」
マサヒトはそう言いながら、アヤコをそっとベッドに寝かせた…。
「マサヒトさん…」
「私はそばにいられない…
だから、私の代わりに3人の少年達を君とアカリのそばに置いて行く──…
それと、ピチューもな。」
マサヒトがそう言うと、部屋のドアがカチャリ…と開き、ピチューを腕に抱いた少年と、あと2人の少年が続いて中に入って来た…。
最初のコメントを投稿しよう!