プロローグ~アカリの誕生~

5/5
前へ
/52ページ
次へ
「その子達は……!」 「その者達はアカリの兄なる者達… そして、私と君の息子達だ、アヤコ。」 「私と、あなたの、息子──…」 と、アヤコはそのままガクッと気を失った……。 「アヤコ… すまない… だが、これでいいんだ…。 これが君のためなのだから──…。」 すると、マサヒトのそばに黄色の頭を持つポケモンが現れ…! 「…すまないな、ユクシー。 わざわざここまで来てもらって…。」 『いえ… 貴方のためならば、僕たちはどこからだって駆けつけます。 それと、貴方に頼まれた通り、アヤコさん…彼女の記憶を、貴方の記憶はそのままに、少しだけ書き換えさせていただきました。 勿論、彼女の周囲にいる人間達の記憶も同様に──…。』 「ああ、それで良い…。 ──アヤコは私マサヒトと結婚し、 ここ、フタバタウンの彼女の自宅にて、私達の息子であるこの三つ子の男児を出産した… そして、その数年後に女児を出産…。 これで良いんだ… これで私達家族を怪しむ者は誰もいないだろう。 …──お前達、 後の事は頼んだぞ 私の代わりに、アヤコとアカリを守ってやってほしい。」 マサヒトにそう言われた3人の少年達は、 「「「御意に…。」」」 と言って彼の前にひざまづいた。 『しかし、その一部始終をアカリ様に見られております…。 まだ赤子とは言え、貴方の御子──… アカリ様の記憶も、書き換えましょうか…?』 「…いや、大丈夫だ、ユクシー。 赤子の時に見た記憶というものは、成長するにつれ、次第に忘れて行くものだろうからな…。」 マサヒトはそう言ってアカリを腕に抱いた… 「嗚呼、ほんに可愛い子だ…! それに、ほんに愛おしい…。 私とアヤコの娘だ、きっと美しく成長することだろう。 ──そうだな、お前が望むならば、伴侶は兄達の中から選ばせようか… それもこれも、全てはお前のためだ、アカリ お前はこの私…神の娘だ ゆえに、お前ならきっと分かってくれると、父はそう信じているぞ。」 ──そして、その数日後、マサヒトはアカリとアヤコの前から姿を消したのだった…。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加