デコレーションにピストル 7

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デコレーションにピストル 7

7 俺と青葉は部活に入って居ない。 理由は一年の時にヘルプメンバーとして、色んな部活のヘルプに回っていたせい。 たまたま人数が足りなかったバスケ部の試合に駆り出され、一躍時の人みたいになった俺と青葉は、翌週には弓道部、サッカー部、野球部と都合の良いように駆り出されるようになった。その辺りまでは高校生活が薔薇色に見える予感がしてたんだけど…。それなりにキャーキャー言われてたしなぁ。 しかし、事は上手く行かない。駆り出され過ぎて彼女を作る暇も遊ぶ暇もなかったというわけ。 二年こそはっ!! 絶対に帰宅部を貫いてゆっくり放課後ライフをエンジョイするんだ!! と、思ってたのになぁ…。 さっきの休み時間にバスケ部の三年の先輩が頭を下げて練習試合のメンバーを頼みに来た。 俺と青葉の予定といったら、可哀想に男二人、ただ下校するのみだ。 「青葉どーする?放課後」 「どーするって…あんなに頼まれちゃ放って帰れないだろ」 「だよなぁ〜」 ベロンと机に腕を伸ばして項垂れる。 「俺さぁ…二年も帰宅部満喫出来ない気がしてる。いっその事なんか部活入った方が楽なんじゃない?」 青葉は苦笑いして 「じゃあ何に入るんだよ」 と言う。 「ぅゔ…そうだなぁ…」 「今更ちゃんとしたメンバーになるのも気が引けるしなぁ」 「確かに!俺達完全にピンチヒッターだからなぁ。今更レギュラー争いとか無理だわぁ…」 「だなぁ」 青葉の言う事は正しかった。 一年から真剣に部活に取り組んでる奴の邪魔は出来ない。 俺達は 中途半端だ。 なんだかんだと理由をつけて、のらりくらりと楽な道を歩いてる。
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