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どれくらいの日を何もせずに過ごしてきたのだろうか。
何も感じない世界に慣れてしまっていて、いつの間にか本当に無になった様にすら思えた。
だからといって僕にはこの世から離れる勇気なんて無かったんだ。
自ら自分の存在を消し去る事は意外と勇気のいるものなのだと思ったよ。
(この世に未練がある訳ではない。だけど痛みや苦しみをいっぺんに感じる覚悟もない。情けないない奴だよ・・・僕は。)
何を求めていた訳ではないけれど、この日はなぜか外出したい気分になって久しぶりに外の空気を吸いに出た。
季節は秋。
いつもならば色付いた木々や美しく澄んだ青空に心踊る季節だ。
でも今は・・・。
そんな事を考えながら宛もなく歩いていると1つの看板に目が止まった。
『町の写真展』
(写真展・・・)
絵の展覧会や個展にはよく足を運んだ。もちろん個展を開いた事もある。
写真・・・か。
何故だか分からなかったけれど、物凄く惹かれて看板に書かれていた会場がある場所まで早足で向かっていた。
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