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「樹端さんの写真って、まるで絵画みたいですよね。」
「写真はみんな絵画と同じだと僕は思いますよ。カメラは画材で、フレームはキャンバス。フォーカスを合わせた瞬間から絵を描いているんです。」
「へぇ!なるほど!確かに言われてみたらそうかも。絵が上手く描けなくても、写真なら描けますね。」
「ええ。もちろん。どうですか?一緒に描いてみませんか?」
感情が走り出したあの日から、僕はカメラに恋をした。
そして描け無くなってしまった絵を、違う形で再び描く事が出来るようになったんだ。
神は奪いもするし与えもする。
気まぐれな神の悪戯で大切な物を失ってしまったけれど、形を変えて再び大切な物と出会えた事に僕は心から感謝したいと思えた。
「魅せられて」
この物語が続く限り、僕はシャッターを切り続けたいと思う。
終わり
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