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「……でも後輩が仕事をしやすいようにサポートするのが先輩の役目だからね。協力してあげる」
このめちゃくちゃな状況を一生懸命正当化しようとする涼平さんがかわいすぎる。
お手柔らかに、という涼平さんのお願いは多分聞けそうにもない。
「じゃあせめて遅くならないうちに風呂行きましょう」
「せめてって……手加減する気全然ないじゃん」
「ないわけじゃないですよ? ただそんなかわいい涼平さんを前に我慢できなくなる可能性が高いっていうだけで」
「何それ、俺のせいにする気?」
「まさか、違いますよ。事実を述べたまでです」
「……まぁ、俺もひとのこと言えないけどさ」
「……涼平さんのそういうとこ……。涼平さんこそ手加減させる気ないでしょ」
最近ようやく、涼平さんが素直に気持ちを言葉にしてくれることが増えた。ただそれがいつどのタイミングで来るのか、まだ読み切れていない。
特に今日は次々に仕掛けられて、俺の方が押され気味。さすがにこれ以上はもう──。
「……明日が仕事じゃなかったら俺だってもっと……せっかく初恋の相手と結婚したのに」
「…………それは本当にダメですって…………」
もう自制心なんて消え失せた。とりあえず明日の目標は『出社』。これで十分だろう。
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