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「フォーク貸して。涼平さんも、あーん」
「いや、俺は……! 恭臣くんのために買ったケーキだし……」
「お願い聞いてくれないんですか? 俺誕生日なのに?」
「……それずるい……」
そんな顔されたら拒むなんて無理。諦めて口を開けると楽しそうに笑いながら恭臣くんがケーキを食べさせてくれた。
「どうですか?」
「確かにすっごい甘いね……」
ケーキ本来の甘さにこの雰囲気も相まって普段の何倍も甘く感じた。コンビニのケーキをこんなに美味しいと思ったの、初めてかも。
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
完璧とは程遠いけど、とりあえず無事に誕生日を祝うことができたみたいだ。
「さて、寝る前に高カロリーなもの食べちゃいましたし、少し身体動かしてから寝ましょうか」
「……へっ?」
「湯冷めしちゃったしもう1回風呂入ろ。涼平さんも一緒に行きましょう」
「わっ、ちょっ……」
俺の腕を引きながら風呂へ向かう。俺に拒否権はないらしい。……けど恭臣くんが機嫌直してくれたならそれでいいことにしよう。
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