secret night

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「涼平くん、久しぶり。元気だった?」 「速水(はやみ)さん⁉︎ うわー、久しぶり! 卒業以来だよね?」 「うん、私就職していきなり遠い営業所に配属されちゃって、同窓会とかもずっと出られてなくて。最近ようやく地元に戻って来たんだけど、あの2人とっくに結婚してると思ってたから逆にびっくりしちゃった」 「だよね、一番最初に結婚しそうだったのに」 「え? 他にも誰か結婚してる人いるの?」 「……あっ、いや、俺の勘違い。このサークルではあの2人が最初だよね」  速水のその質問に涼平ははっと我に返った。ごまかすように笑った涼平だったが、ほんの少し、胸の奥がチクリと痛む。  その痛みを紛らわすため、グラスに半分程残っていたビールを一気に流し込んだ。 「涼平くん結構雰囲気変わったね」 「えっ、そう?」 「髪型も変わってるし、なんか大人っぽくなった」 「大人っぽいって……実際いい歳した大人だよ」 「そうだけど、それだけじゃなくて……涼平くんて今──」  速水がそう言いかけたところで1人の男が2人の間に割って入った。 「涼平、お前来てたのかー!」 「最初からずっといたよ、俺そんな存在感薄い?」  肩を組むように涼平の肩にかけられた男の腕。その手にあるグラスに空になった自身のグラスを当てながら、涼平が皮肉を返す。 「ちょっと来いよ、あっちにみんな集まってるから」 「俺今速水さんと話してたんだけど」 「気にしなくていいから、行ってきなよ」 「ありがとう、ごめんね」
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