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恭臣くんが晩ご飯の準備をしてくれている間にインターホンが鳴った。
「来たみたいですね」
「俺出るよ」
「すみません、お願いします」
受け取った荷物を持ってキッチンにいる恭臣くんに声をかける。
「これ今すぐ使うもの?」
「いえ、今は使わないので置いといてください」
届いた荷物は大手通販サイトからだった。どこの通販サイトかわかればなんとなく中身が想像できるかと思ったけど、なんでも取り扱ってるところだから、これだけじゃ何もわからない。
(当日のお楽しみって言ってたけど、いったい何買ったんだろう?)
夕食が終わっても恭臣くんが荷物に手をつける気配はなかった。気になってチラッとその箱を見ると、その視線に恭臣くんが気付いた。
「あれの中身、そんなに気になります?」
「なんか隠してるっぽかったし、そりゃあね」
「じゃあ開けちゃいますね」
部屋の隅に置いてあった箱を取り封を切る。そして恭臣くんが手にしたものは。
「……なっ……!」
見覚えがあるパッケージ。先週恭臣くんの部屋で見た物と同じ物。
「ゴムと……ローションです」
箱から取り出したものをテーブルに並べながら恭臣くんが説明する。
「いや、それはわかるけど……変なものじゃないって言ったじゃん……」
「変じゃないですよ。必要なものじゃないですか」
よく考えればそんなこと関係ないんだけど、今日は俺の家だし、そういう可能性は低いと勝手に思ってた。
でもわざわざ準備してたってことは、恭臣くんはそのつもり……なんだよな。
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