『しゃぼん玉に舞う』
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どこから来たのか、しゃぼん玉はどこへでも飛んでいく。ふわふわと、当てもなく揺れ動いているのに、いざ掴もうとすればするりと躱して遠くへ飛んでしまう。まるで行先は決まっているかのようだ。しばらく目で追っていると、しゃぼん玉はいつの間にか消えていた。その軌道の読めない動きと光の反射によって変化する鮮やかな色に人々は魅了され、翻弄されていく。 彼はしゃぼん玉のような人だった。
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