1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ギャギャギャ、わかっただロウ? オレは実験第一号なのさ。さて、森宮クンは第何号、なんだろうネエ」
どういう意味だ。
意味は分からないがぞっとした。
「どうした、びっくりして声も出ないか。ああ、出せナイんだったネエ。じゃあ、声を出せるようにしてアゲる」
ベリイッ。
勢いよく口元を覆っていたテープを剥がされ、薄い皮膚が引っ張られたせいで鋭い痛みが走り、解放された唇から悲鳴のような叫びがほとばしった。
「ギャッギャギャギャ、痛いか? 痛みを感じるのか? でもそれは気のせいだ」
何を言っている、と森宮は痛みのあまり滲んだ涙を瞬きで誤魔化しながら舌打ちしそうになった。
手足が自由なら、とっくに捕らえて通報している。
「痛みを感じる、涙も出る、なんてうまくできているんだ、完璧だ」
男はしゃがみこんで森宮の顔の前で拍手した。
「まだわかっていないようだネエ。仕方がない。特別に教えてアゲる。オレは人工の体に脳移植されたレプリカントアンドロイドなんだよネエ」
「レプリカントアンドロイド?」
「通称、レプリカ。つまり模倣品ダ」
模倣品?
最初のコメントを投稿しよう!