外部特待生の受難

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俺まだ死にたくないです。 迫ってくる奈崎と一緒にクラス全員分の視線も着いてくる。俺は笑顔を引き攣らせながらもなんとか保っていた。 「助かったよ〜仁くんっ」 「えっと……俺も柊と話したいことあったから言っただけだよ」 「これで心置き無く寝に行けるよ!」 「あはは。ごゆっくり」 乗り切った。 正直クラスの問題児だし親衛隊持ちだしあまり関わりたくない奴の一人なのでこれからは目を合わせないように……え待って?話終わったよね?奈崎、話終わったから行っていいんだよ。なんでずっとそこ立ってんの。てか何、いきなり下の名前で呼んで来てなかった?俺そんなに親しい覚えないんだけど。人類みな兄弟思考の人だったりする? 「……奈崎?屋上、行かなくていいの?」 「んー。それはどっちでもいいんだけどさー、仁くんは授業サボる奴とちゃんと受ける奴、どっちが好き?」 「え、急に?……ちゃんと受けてる子の方が好感は持てるかな」 「じゃ、僕サボらずちゃんと受ける!」 「…………ん?」 「仁くんのこと、気に入っちゃったからさー。あ、僕一応生徒会の隠れ雑務やってるんだ。だから免除ありなの」 「はあ……?」 情報過多で何も入ってこない俺はおかしい?違うよね、周りがおかしいんだよね。 ───ジンクンノコト、キニイッチャッタカラサー。 待て待て待て待て。 勘ッッ弁してくれ!!!しかも生徒会だと?聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ。隠れ……そりゃこんな仕事してなくて表にも出てこない奴が生徒会の一員だなんて誰も気づかねーよ。プチ自慢か?お? 「眠そうな生徒会雑務×爽やかイケメン……いい」 「柊は黙って」 「んふふー、柊くん面白ーいっ」 え、お前なんで柊は苗字呼ばわりなの?
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