外部特待生の受難

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転校生くんはホスト教師が指さした先にいる俺を見据えた。 バチィッ、って目合っちゃった。 「分かった!!」と馬鹿でかい声量でホスト教師に告げるとズカズカとこちらへやってくる。……あ、え、ちょっとちょっと。みんなの足踏んでるよお前?みんながあからさまに転ばそうとしてやってる行為めっちゃ破壊してるよ?え、痛そう………。まあ自業自得だよね、ドンマイ…クラスメイト諸君。 転校生くんはそのまま気にすることも無くどかっと席に座った。度肝座ってるよね。うん……度肝座ってるよね。(2回目) 「神谷ヒロトだ!よろしくな!!」 「……ああ、俺は結城仁。よろしくね、神谷くん」 「ヒロトでいいぞ!」 「うん。俺も仁でいいよ」 「分かった!!!仁!」 うーーーわーーーーー。嫌だーーーー……。 できる事なら関わりたくなかったよ。 だって柊の手中に嵌ってる気がしなくも無いから。 ……………ほら見ろ、振り向いてニヤニヤしてんぞ。いつもの仏頂面どこ行ったんだよクソ。席後ろの方で良かったな? 「お前はっ?仁のトモダチか?」 「……あ、俺?」 「おう!!」 「……おー…まあ、そうだけど」 「名前は?」 「田中太郎」 「そうか!よろしくな太郎、俺のことはヒロトって呼べ!」 え? これシュールすぎて笑いそうだよ俺。 なにナチュラルに田中太郎とか言ってんの柊サン。思うように事が運ばれて嬉しいんじゃないの?急にムスッとしてんだけど。 「俺が当事者になるのは御免だからな」 「んだそれ」 一旦死んだらいいと思う。
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