俺も行く!

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俺も行く!

 ()い気味に、"兄ちゃん"とケイオスさんの(そば)に移動する。 「ユノー……」  "兄ちゃん"が困った顔をしたが、それでも「あっち行け」とは言われない。  俺は知っている。  この"兄ちゃん"は、ユノー君に甘い。 「少し雑事があってな。私は"地球"に立ち寄ることになった」 (――――!!)  思わぬ宣言。異星人、地球来訪。じゃなくって!! 「地球、近いの? ここから」  宇宙空間なんて、土地勘なさ過ぎて、見ててもどこかさっぱりわかんなかったけども。というより、そもそも、右も左も、上下の区別すらつかないけども。   地球が行ける距離なのなら、ぜひともうちに帰りたい!!  あれ? でも待って。今の言い方。  "兄ちゃん"が行くの? 俺じゃなくて? 俺のこの謎現象が解明されたとか、そういう話じゃないわけ? 「近い。早めに戻るから、ユノーは(ここ)で待っててくれ」  NO(ノー)ォォォォォォ!!  何言ってんの? 何をおっしゃってくれちゃってるの? 皇子(オージ)様。  地球だよ? 俺が行かなくて、どうすんの? 逆にあんたは何しに行くの?  俺を置いてくとか、とんでもない。  俺、ずっと"地球人です"って言ってんじゃん。  しかも、狙われてるかも知んない人間に対して、ひとり待てとはご無体な!!  焦ったままに、俺は叫んだ。 「俺も行く!!」
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