6人が本棚に入れています
本棚に追加
俺も行く!
食い気味に、"兄ちゃん"とケイオスさんの側に移動する。
「ユノー……」
"兄ちゃん"が困った顔をしたが、それでも「あっち行け」とは言われない。
俺は知っている。
この"兄ちゃん"は、ユノー君に甘い。
「少し雑事があってな。私は"地球"に立ち寄ることになった」
(――――!!)
思わぬ宣言。異星人、地球来訪。じゃなくって!!
「地球、近いの? ここから」
宇宙空間なんて、土地勘なさ過ぎて、見ててもどこかさっぱりわかんなかったけども。というより、そもそも、右も左も、上下の区別すらつかないけども。
地球が行ける距離なのなら、ぜひともうちに帰りたい!!
あれ? でも待って。今の言い方。
"兄ちゃん"が行くの? 俺じゃなくて? 俺のこの謎現象が解明されたとか、そういう話じゃないわけ?
「近い。早めに戻るから、ユノーは船で待っててくれ」
NOォォォォォォ!!
何言ってんの? 何をおっしゃってくれちゃってるの? 皇子様。
地球だよ? 俺が行かなくて、どうすんの? 逆にあんたは何しに行くの?
俺を置いてくとか、とんでもない。
俺、ずっと"地球人です"って言ってんじゃん。
しかも、狙われてるかも知んない人間に対して、ひとり待てとはご無体な!!
焦ったままに、俺は叫んだ。
「俺も行く!!」
最初のコメントを投稿しよう!