43人が本棚に入れています
本棚に追加
再び牢の扉があいたのは紅蓮が来てすぐの事だった。
「男はこちらにこい」
衛兵が来て紅蓮だけを連れて行こうとする。
「何するの!紅蓮を放して」
「白蘭。私は大丈夫だ。待っていてくれ」
不安そうにする白蘭を残し紅蓮は連れてかれた。
数時間して戻ってきた紅蓮は言葉通り酷い状態だった。
「紅蓮!!」
衛兵に連れてこられ牢に投げ込まれる彼を白蘭は受け止めた。
「強情な奴だ。拷問しても泣きも喚きもしない」
「拷問!?なぜそのようなことを!?」
あまりの酷さに怒りをあらわにするも衛兵は行ってしまった。
「紅蓮!しっかり!」
紅蓮を抱き起し少しでも楽な姿勢を取らせる。怪我の具合は酷く足は折れ黒い衣でもわかるほどに血が滲んでいた。
「っ」
「動かないで!怪我しているのよ」
「…まったくこの私がまさか人間にやられるとはな…。魔界に知られたら馬鹿にされる。朱雀は呼んでも来ないし…ついてないな」
目を開けて笑う紅蓮。
「…朱雀って?」
最初のコメントを投稿しよう!