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「だから白蘭の前には現れず陰で守ろうと思った…しかし、私は未練がましい男でな。どうしても白蘭の側にいたいのだ。記憶を失くしながらも相変わらず私に笑いかけてくれる、友と偽りを言ってでもそなたの側にいたいと切実に思ってしまう」
「…紅蓮」
「愛している…白蘭」
はっきり告げられ鼓動が高鳴った。
「月影との婚姻があるのはわかっている。だが、この想いは忘れることは出来ない。もし私のことが迷惑であるならば、去れと言ってくれ。街に送り届けた後、もう顔は見せない」
「…言わないわ。絶対言わない」
白蘭は笑顔で言った。
「だって私が愛しているのは紅蓮だもの」
「白蘭…」
紅蓮が目を見開いた。
「何度記憶を失くしても私はあなたを愛するわ。もう一度、私を奥さんにしてくれる?」
「あたりまえだ」
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