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「ちょっ。馬鹿言ってないでそのお得意の法術?で早く出ましょうよ」
「だから言っただろう。普通の生活は出来なくなるぞ。それでもいいのか?」
「紅蓮の妻になるんだから、もう魔界に住む覚悟はできているわ」
「そうか…わかった」
紅蓮はそう言うと白蘭に法術を使った。黄金色の光が白蘭の体を纏う。
「これは何?」
「私の真の姿は鳳凰だ。鳳凰の羽に触れると火傷するからな。保護の術だ」
「…すごい」
「そなたを傷つけることはしない。下がっていろ」
言われた通りに下がると紅蓮は真の姿を取った。
小さな牢は音を立てて崩れ床に散らばった藁は鳳凰の羽で豪快に焼けたが紅蓮の術で、炎は白蘭を上手に避けた。
鳳凰の美しさに見ぼれていると衛兵が駆け付ける音がして、白蘭は後ろを振り向いた。
「なぜ急に崩れたんだ!はやく消化しろ!」
「紅蓮!衛兵がくるわ」
次に紅蓮の方を見た時には鳳凰の姿は無く、人型に戻った紅蓮が立っていた。
「傷が治ったのね!」
顔の傷があった場所をペタペタと触り治ったか確認する。
そしてそんな白蘭の手を紅蓮はしっかりと握った。
「だから言っただろう。白蘭、行くぞ!」
こうして再び結ばれた二人は無事に牢を脱出し、皇宮ではしばらく炎で騒然とした。
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