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翌日の日曜日、早起きをした由衣子は朝からせっせとケーキを焼いていた。
この前は落としてぐちゃぐちゃになってしまった苺のショートケーキを、今度こそ完璧な状態で綾人に食べてもらうためだ。
「よし! うまくできた!」
一度コツを掴んだせいか、再び納得のする味・見た目・食感のケーキを作ることができた。
あとは前回のように落とさなければいいだけ。
時刻はいつの間にか午前九時を指している。綾人はまだ起きてくる気配がなく、随分とぐっすり寝ているようだ。
普段が多忙すぎるのでたまの休みの日くらいはそっとしておいてあげようと由衣子は思った。
本音を言えば早くケーキを食べてもらいたいから起こしに行きたいところだけれどグッと我慢する。
朝から一仕事した由衣子はリビングに向かうとソファに腰を下ろした。それから右手でそっと自身のお腹のあたりをさする。
どうも朝起きたときから痛みがあるのだ。少し横になっていればおさまるだろうか。
由衣子はソファに寝転がると、横を向いて体を丸めた。
早起きしたせいで眠気もある。
(綾人さんはまだ起きてきそうにないし、私もこのまま少し眠ってもいいかな)
由衣子はそっと目を閉じた――。
ーーどのくらいそうしていただろう。
ペチペチと頬を叩かれているような軽い刺激を受けて、由衣子はそっと目を開ける。
「なんでこんなとこで寝てんだよ」
寝起きのぼんやりとした視界に飛び込んできたのは綾人だった。
由衣子は勢いよく起き上がる。
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