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 二〇二〇年の二月に入ると、中国で流行していた新型インフルエンザが日本にも上陸し始めた。当初は気にも留めなかったが、職場でもインフルエンザで休む人が出てきていた。  そんな中、有名なコメディアンが新型インフルエンザに罹って意識不明で入院するというニュースが連日報じられるようになった。  そのうち、その新型インフルエンザは、新型コロナウイルス、Covid19と呼ばれるようになった。そして同じウイルスに罹患して入院する人が増え始めていった。四月に入ると、政府は緊急事態宣言を発令して、事実上の外出禁止令が出された。  そこで、派遣先の職場の社員もリモートワークをすることになったのだが、派遣は全員出社しなくてはいけなかった。これは社内システムのアクセス権限の問題から、ということだった。 (続く)
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