(二)

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 しかし、余部の口から出た言葉は短かった。 「あなたの派遣先はありません」  眼鏡をかけた細身のきまじめそうなこの男性営業社員は、そう言うと立ち上がって面談ルームから立ち去ろうとした。本来ならスタッフのケアをしたりするのも担当の役目ではないのだろうか。  そして余部は去り際に、「渡し忘れるところでした」といって離職票をテーブルの上に投げて寄越してきた。 「これを持ってハローワークに行って下さい」  事務的に言うと、余部は別のブースへと行ってしまった。 (続く)
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