悪魔の復活はいつだ

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 翌日病院に向かった。父は毅然とした態度で元妻の両親を突き放し、妻だった女に冷たく言い放つ。 「もう二度と関わるな。もし何かしたら法的手段を取るからな、覚悟しておけ」  母は泣き続けている、彼の言葉など聞こえていないかのように。真智、真智、と泣く姿を冷たく睨みつけるともう行こう、と真智を促して先に病室を出た。  その後には続かず泣き続ける母の前髪を掴むと無理やり上を向かせる。その様子に祖父母は慌てて止めようとするが、小さな声で言った。 「自由にしてくれてありがとう」  ニヤリと笑い手を放す。その瞬間母が暴れだす。 「返して、真智を返して! 私の真智を返せこの悪魔あああああ!!」  くく、と笑って部屋を出ると祖父母が必死に暴れる母を抑える。ナースコールがされたらしくバタバタと人が入って来た。小走りで父に追いつくと父は眉間に皺を寄せてため息をついた。 「なんだあの女、本当に頭がおかしいんだな。真智に向かって真智を返せって」 「本当にね。もう会うこともないし、いいよ。帰ろう。あーすっきりした。これで自由だね、オトウサン」 「ああ。引っ越しの準備もできたし、これで本当に関わることはなくなる」  真智の父に見えないよう、ニイっと笑うと待機させてあったタクシーに乗り込む。  自由とは、素晴らしいものだ。 END
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