悪魔の復活はいつだ

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 改めて封印をする方法は書いていなかったらしく、封印に綻びがないか確認するしかない。  そうやって毎年確認し、春休みにもいこうと言い出し、冬も行こうと言う。いい加減おかしいと思った父が問い詰めると、観念したようにそのことを言ったが当然信じてもらえなかった。 「いい加減にしろ! お前のやってることは頭がおかしい奴のやることだ!」 「放っておいたら大変な事になるのよ!? どうせ信じないと思ってたから言わなかったけど、これだけは絶対に譲れないわ! ペルテロロアは今も復活を諦めてないの!」 「馬鹿野郎!! もういい話にならない! そんなにやりたいなら一人でやってろ!」  父はとうとう離婚を決めた。親権は父が持ち、絶対に母と連絡をするなと苛立った様子で厳重に注意をした。 「もうあれを母親だと思うな。お前には母親なんていなかった、いいな」 「わかった」  冷静に言う娘に父ははっとして目を伏せる。自分がいかに子供に酷な事を言っていたか気づいたようだ。 「……ごめんな、真智にとってはたった一人の母親だったな」 「いいよ。私あの人の事好きじゃないから」  あの人、という言い方に父もすべてを察する。もうとっくに母親とは見ていなかったのだ。こんな事ならもっと早く離婚すべきだったと後悔した。 「そうか。再婚は考えてないから、一人で家にいることが多くなると思うけど大丈夫か」 「もう14歳だよ、一通りの家事できるから問題ないよ。でも、受験勉強シーズンになったら家政婦さんはほしいかな。勉強するために家事はやってもらいたい」 「ああ、勿論だ。真智は自分の人生だけ考えていればいい」  それからしばらく平穏な日々が続いた。母方の祖父母からたまに連絡が来た。父は良い顔をしなかったが、おじいちゃんたちとは話したいと言えばしぶしぶ了承した。母の事は嫌いだから、会うつもりはないよ、と言えば安心したようだ。  祖父母の話では、あれから母はあの別荘に一人住み悪魔の監視とやらを続けていたそうだ。しかし定職もなく収入がないので、電話代さえ払えなくなり連絡がつかないので心配して別荘を訪ねたのだとか。すると栄養失調で倒れていたのを発見し、今病院にいるそうだ。  真智に会いたいと毎日泣いているらしい。精神的におかしくなっておりまともに話ができない状態だという。そのことを父に話し、一緒に病院に行こうと説得した。 「これで最後にしよう。もう二度とおじいちゃんたちとも連絡を取るのやめて貴方とは赤の他人ですって言ってこよう。きっぱり縁を切ってこよう」 「そうだな、もうそれが一番いいだろう。ありがとう真智、放っておこうかと思っていたがもう我慢できない。明日お父さんがはっきりと言ってやるからな」
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