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「おーいたいた。よっ」
教室の入り口の方から聞き慣れた声が聞こえる。振り向くと早見さんが扉にもたれかかっていた。
中に僕以外誰もいないことを確認すると大股でこちらに向かってくる。
「ナルがお前の話聞いてやってほしいって頭下げてきたからさー。別にそんなに改まって頼まなくてもいいのにな。俺はいつでもどこでもお前たちに味方だ!」
相変わらずテンションが高い。
「それ言ってよかったんですか?」
「え、なにが?」
「ナルから頼まれたって。言わない方がかっこよかったですよ」
「……確かに!」
かっこつけたがる癖に考えなしだからいつも決まらない。そんなありのままの姿にみんな惹かれているのかもしれないな。
まあ、どんな経緯であれ僕のために設けられた場だ。ナルと早見さんの好意に甘えることする。
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