危険な変身のブルース

8/17
前へ
/17ページ
次へ
「大丈夫ですか?」 開放された従業員が俺を気遣って駆け寄って来た。 犯人は俺の足元でグロッキーさ。 「ああ、この通りピンピンしてるぜ」 「でも、毒の牙に噛まれて…」 「俺に毒は効かないさ。それにあんなヤワな牙なんざ俺の鱗には通らねえよ。…それより、あんたこそ無事かい?」 「はい。お陰様で…」 従業員は顔を赤らめている。 おいおい、お嬢さん 俺に惚れるなよ。 こいつあ、吊り橋効果ってやつでドキドキしてるだけさ。 しかし彼女は黙って羽織ったカーディガンを脱いだ。 おいおい 無言で俺に差し出してくる。 俺はパンツ一丁だった。 畜生め、コートは脱いどくんだったぜ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加