161人が本棚に入れています
本棚に追加
おかげで目が覚めたようだ、よかった。つかこちらに背を向けてくれていたのは、助かった。
「朝! 起きて!」
朝日の中の修二さんはかっこいいと思った気持ちは胸にしまって、私は冷静に任務を遂行する。まだ修二さんがいるのにシーツに手をかけた。
「んだよ……まだ平気だろ」
シーツを引っ張られているのも気にもせず、修二さんが上掛けを取り戻そうとするのを私は阻止する。
「平気じゃない! シャワー浴びてご飯食べて!」
ご飯は修二さんがお風呂入ってる間に作らないとな。
「飯なんかいいし、もうちょっと寝たいし」
いって寝返りを打ち、布団をつかむ私の手を引いて、自分の体の上に引き寄せた。
「え、ちょっと、ちょっと……!」
私は服越しとはいえ、修二さんはまだ裸、体温はダイレクトに感じられた。その上汗を感じる体臭と相まって昨夜のことを思い出し、体の奥が熱くなる。
「修二さん……っ」
「具合悪い……」
「え!?」
風邪!? 熱とか……!
「……ってことにして、休む……」
あほかー!
「仮病なんて許しません! 起きなさい!」
修二さんの体に手をついて体を起こそうとすると、背中に手を添えて止められた。
「キスしてくれたら起きる」
間近に迫る修二さんが微笑む、まだ寝ぼけているのか、素で微笑まれて胸はときめいた。
寝起きなのに、かっこいいな……いや、かわいいぞ。
「んもう、しょうがないなあ」
最初のコメントを投稿しよう!