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火を吹き消すと共に地鳴りのような拍手と「おめでとうございます」という温かい言葉をかけられた。
去年は綾乃と二人で自宅でお祝いをした。
仕事だったし、ケーキ買ってプレゼントもらって、それで良かった。
今年も当日は綾乃がお祝いをしてくれた。
俺の好きな料理を作ってケーキを準備してくれていた。
だからちょっと油断してたんだ。
「はい、プレゼント」
そこにまさかのプレゼントまできた。
いやいや、もらいすぎじゃん!って思えば綾乃はこの場で早く開けろ、という。
「ありがとう」
「うん、開けてみて。あ、このケーキちょうだい」
「好きに食べていいよ」
綾乃は記念にそのプレートを一枚写真に収めるとワクワクしながらケーキやアイスクリームを食べていく。
綾乃に全て取られてしまうのは目に見えているので、半ば諦めながらまずはプレゼントの包装紙を綺麗に開けた。
「新婚旅行で買ったじゃない?それの」
「なるほど。いいじゃん」
「本当?よかった」
綾乃がプレゼントしてくれたのは、新婚旅行で買った腕時計のベルトだ。付け替えられるそれは服装によって合わせられるため、コーディネートの幅が広がる。
「綾乃はないの?」
「お揃いで買ったわよ」
ふふん、とドヤ顔をする嫁が可愛い。
口の端にちょっとアイスクリーム付いてるけど、可愛いからそのまま黙っておくことにしておく。
「一年記念日にしなかったの?」
「うん。サプライズがしたかったから」
たしかに、一度祝ってもらったら後日また祝われるとは思わないわ。すっかり騙されたと笑えば綾乃が嬉しそうに「やったわ!」と破顔した。
「もう、飲み直すんじゃないの?」
「飲み直すよ」
「だったらこの手はなによ」
俺たちは食事を終え「バーで飲み直そう」という綾乃の要望を却下して部屋に戻ってきた。
グレードの高い部屋を選んでくれたので、冷蔵庫にシャンパンが入っているのは知っている。
「シャンパンのむ?」
「飲むわよ。だからやめなさいって、変態!」
綾乃を壁に押しつけてスカートの中から手を入れてショーツを撫でる。俺の手のひらが綾乃のそこを覆うとせっかく隠れていた花芽が嬉しそうに顔を出した。
「勃ってるよ、綾乃」
「タッテマセン」
「撫でて触って虐めてって」
「イッテマセン」
グニグニと手のひらを押し付ければ綾乃が甘く切ないため息を漏らす。歯を食いしばり声は出したくないのに、いいところにあたるらしく彼女の身体は面白いように反応する。
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