月と煙草

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満月の夜。 1人、煙草をくわえ、ベランダから月を眺める。 煙草の煙が夜の空へと消えていく。 バイクの走行音が静かな住宅街を横切る。 静まり返ったこのあたりは少しの咳払いも聞こえてきそうだ。 ベランダから見える街灯は、今日も静かに誰も通らない夜の道を照らす。 灰皿に短くなった煙草の吸殻を捨てる。 テーブルにあるセブンスターの箱を手に取り、もう1本煙草を取り出す。 ベランダに1人座り、2本目の煙草をくわえる僕は、 月の光に照らされていた。
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