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【 ポップコーンに縋る思い 】
このポップコーンには、『取り扱い説明書』が添付されている。
その取扱説明書には、こう記してある。
【取り扱い説明書】
・このポップコーンを1つ食べると、1時間だけ恋が成就する。
・1回につき、3つまで同時に食べることができる。
「えっ? ポップコーン1つ食べるだけで、1時間恋が成就する? そんな簡単にいくの?」
その紙には、最後に赤文字でこんなことも書いてあった。
【注意事項】
・但し、時間が来ると恋はそこで終了。相手の思いは冷めるので、注意すること。
・ポップコーンに決して涙を零さないこと。それを食べると、二度と元に戻らなくなるので、注意すること。
とある。
「時間が来ると恋が終わるのか……。涙を零すと元に戻らなくなるって、どういうことだろう……?」
すごく不思議なことが書いてある。
でも、これを食べれば恋が一時的に成就する。
こんな魅力的なことはない。
私は一晩思い悩んだが、次の日の朝、思い切ってポップコーンを1つ食べてみることにした。
「一か八か試してみよう! よしっ! 食べるぞ!」
私は口の中にそのポップコーンを1つ入れた。
味はストロベリーで、とても甘い。
これで、タカヒロ君と甘い、甘い恋ができる……。
ポップコーンを食べていくうちに、次第に意識が遠くなって行った……。
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