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11月第4水曜日
イルミネーションを見に行く予定のトラファルガー広場は至って通常運転だった。ネルソン記念柱はやっぱり本人が見えない高さで、周りのライオンの像も、噴水も、見守るように構えるナショナルギャラリーも普段と同じ格好。たとえばピカデリーサーカスやサウスバンクの道みたいに木や建物間にライトが飾られてるわけでもなく、脚立や工事の道具などそれらしい準備の気配もない。
広場を眺めてると、風がコートの裾を揺らした。
確かに派手な赤かもしれない。でもこんなにたくさんの人がいるロンドンだ。私に気づく人はいない。
道を渡りチャリングクロス駅内に降りる。早く帰って続きを書かないと。
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