11月第4水曜日

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 日々もらう連絡は嬉しい。構ってほしいと願う。  なのに、余計な心配はかけたくない、重たい女になりたくないとも思ってるのだから、感情は理解できない。  私がなりたいのは「あなたと肩を並べられる脚本家」なのだろうか。それとも、ただあなたの隣にいられる…… 「舞子、お茶淹れる?」  ドアの向こうで声がした。返事もしないうちにケイティが部屋に入る。 「……誰から?」  子供をあやす親みたいに訊く。  また叱られた気になる。  情けない。 「連絡じゃない。近況を確認してただけ」  それでも正直に回答したのは、とにかく誰かと話していたかったからなのかもしれない。 「誰の?」 「日本にいる同業。彼は順調に仕事を得てるみたい」 「彼?」  はっとする。無意識の英語の代名詞で性別を明かしたと気づいた。  ケイティがベッドに腰掛ける。私はごまかすようにノートパソコンに向き直った。 「いつも連絡取ってる人? この前もケータイ見て笑ってたけど、あの時も?」  小さく頷く。 「だから、私も良い結果出さないと」 「笑顔で会うにはそれしかないから?」  キーボードに浮かせた手が止まる。 「……それしかない」  隣の視線がむずがゆい。  ケイティがくすっと笑った。 「彼に会いたい?」
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