第1章 アルバイト

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* 「美世ちゃん、お疲れ様。今日は準備と挨拶で1時間だったから、850円ね」 「おお! 早速もらえるのか! ありがとう!」 私は伯父さんから給料をいただいた。ちなみに私は今校長室にいる。生徒達は授業中だ。そう言えば人前では伯父さんって言わないようにしなきゃ。あとタメ語もアウトか。気を付けないといけないな。 「今日はこれで終わりだから、家に戻ってゆっくりしていていいよ」 「もう終わりか! もっと仕事量が多いのかと思ってたよ」 「普段は少ないよ。ただ、行事とかが近づくと少し忙しくなるかな? ま、それでも普通のアルバイトよりは楽だと思うよ!」 伯父さんは柔らかく笑った。行事、か……。行事には苦い思い出がある。複雑な気分だ。生徒会長ならなおさらやるべきことが多いんだろうなぁ。……いやいや、これはアルバイトなんだ、それにもう11月だ。大きな行事と言えば、卒業式くらいしか思い浮かばないぞ。 「やっぱり今日は1つだけ仕事をお願いしようかな? 僕が帰ったら肩たたきして欲しいな! あ、これはタダ働きね!」
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