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ああ、すまない、申し遅れた。私の名前は江原美世。いたって普通の名前だ。読み間違えられたことはほとんどないから、それはありがたいのだが、こう、もっと厨二っぽいかっけー名前もいいよなーとよく思う(全国のエハラさんとミヨさんごめんなさい)。
私が小さなため息をつくと、ノック音が部屋に響いた。
「入っていいよー」
ドアが開き、私は起き上がった。
「美世、来客だよ!」
お母さんは満面の笑みでそう言った。
「来客?」
「そう。美世の大好きな、ね。部屋に呼んでもいい?」
「あ、ああ……」
私の大好きな客って誰だろう。まあいい、暇してるし。
「どうぞ、入って下さい!」
お母さんが廊下に向けて声を張った。すると、足音がこちらに近づいてきた。そして、黒髪でスーツを着た男性が私の部屋の前に現れた。
「美世ちゃん、久しぶりだね。元気にしてた?」
やって来たのは、私の伯父、江原孝則だ。
「伯父さん!元気だぞ!」
久々の再会に私は思わず笑みを浮かべた。最近は知り合いにほとんど会っていなかった。……日本語でも元気って答えてしまったな、はは。
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