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「この歌を聴くと、いつも江原さんを思い出してた。もちろん、思い出さない日はなかったけど、本当に歌詞の通りだなって。ずっと江原さんを想い続けてた。また会えて、これからも一緒にいられて……本当に嬉しい」
夜宵君は私に顔を向け、目を細めて微笑んだ。
「僕と出会ってくれてありがとう」
大好きな明るい笑顔、大好きな優しい声。全部大好き。夜宵君が大好き。
心で必死に留めていた気持ちが、とうとう流れ出してしまった。
もう、どうして、どうしてだよ夜宵君…………
私は立ち止まり、震える唇を動かした。
「……っ、はは、参ったな。今日はずっと耐えてたのに。何度も危うくなったけど、どうにか過ごせたのに……もう、私、わた、し…………っ」
止める間もなく、涙が流れる。慌てて拭こうと手をやると、その弾みでイヤホンが耳から抜けた。それでも、涙は流れて止まない。
こんな顔、絶対見られたくないのに……。
「ごめん、私、こ、こんなキャラじゃないのにっ……ずっと泣かないでいようって、そう、決めてたのに……無理だよ、耐えられないよ…………!」
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