第8章 卒業式

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夜宵君はやや頬を赤らめ、囁いた。私はまだ懲りずに涙を流し、精一杯に笑った。 「ううん、嬉しい。私も」 今度は私が両手を広げ、不器用に夜宵君を包んだ。夜宵君もそっと私の背中に触れる。 「……私も、会いたかった……、好き、夜宵君が……好きっ、大好き……っ」 「僕もだよ……江原さん、大好き……」 真っ暗な道で、誰もいないからと私達はずっと抱きしめ合っていた。いや、そんなこと、考えてすらいなかった。ただ、夜宵君が好きで好きでたまらない。そんな想いだ。 冷たい風が吹きつけようとも、私は温もりに抱かれ、夜宵君の全てを刻み込んだ。
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