プロローグ〜生徒会長時給850円!〜

7/9
前へ
/428ページ
次へ
「そうだ。それなら、『学内のやつが変装してるんじゃね?』ってことになるかなって」 「あ、あー、んーそうだね……」 伯父さんは眉をひそめていたが、私は気にせずタンスをごそごそとした。我ながらいいアイデアだ。私はあるものを取り出し、身につけた後、伯父さんの方を振り返った。 「どうだ! これでバレないだろ?」 「……そ、そう、だね……」 私は黒いマントと黒いマスクを装着した。何だろう、私は面倒くさがり屋だが、こういう格好ができるなら多少は許せる……気がする。 「み、美世ちゃん、厨二病って言うんだっけ……相変わらずだね」 私は世間一般では厨二病と呼ばれる病にかかっている。それは認める。やる気がない割には、厨二系のことになるとスイッチが入るのだ。 「ふふふ、今なら空も飛べそうな気がする……」 「は、はぁ……」 笑っているのか呆れているのかよくわからない伯父さん。ノリノリ気分なのもつかの間、私はもう1つの疑問が浮かんだ。 「あとさ、伯父さんの高校ってここからかなり遠くないか? 流石に通うのはキツい……」 「それなら心配不要! 僕の家にしばらく泊まればいい!」
/428ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加